はじめに
英語学習において積極的に英語話者の音声を聞くという行為は非常に重要な役割を果たします。しかしながらその素材となる英語話者の音声を探すのはなかなか簡単なことではありません。例えばYouTubeに上げられている英語ネイティブの投稿者の動画は多数のスラングやFワード、Nワード、それから多くの文脈を抱えている可能性があり、英語圏の文化について知る場合は有用ですが、汎用性の高い英語自体の学習をしようと思う場合、有用とはならないかもしれません。
そういった中で、TEDの講演の動画はスラングやFワード等を含まず、また内容も面白いものが多く、非常に英語学習において有用なものとなります。そこで今回は、個人的に英語学習に役立つと思うTEDの講演の動画を3つ選んで紹介します。
なお今回は、選出基準として、日本語字幕がある事を前提としています。また、YouTubeにアップロードされているものを選びました。
TEDxで賢そうにプレゼンする秘訣 | ウィル・スティーブン | TEDxNewYork
TEDxで賢そうにプレゼンする秘訣 | ウィル・スティーブン | TEDxNewYork
1つ目はウィル・スティーブンによる講演です。「That's nothing」から始まるこの講演では、スティーブン氏が、ひたすらよくある数字や何か抽象的な意味を持っているように見える画像を用いてプレゼンをします。体裁だけ取り繕っていればなんとかなる、という現代のコンサル業に対する皮肉(個人の感想)とも思えるこのプレゼンは、最後のオチも含めて秀逸だと感じます。
使われている英語はシンプルなもので、発音も聞き取りやすいのでおすすめです。
どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法 | クリス・ロンズデール | TEDxLingnanUniversity
どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法 | クリス・ロンズデール | TEDxLingnanUniversity
2つ目はクリス・ロンズデールによるプレゼンです。「英語学習の一環として、外国語の習得方法を英語で学ぶのか?」と思われるかもしれませんが、そうです(!)。この状況は矛盾のように感じられますが、プレゼン中に登場する「非常に重要な情報は理解し覚える」というような表現が示す通り、英語を学びたい人にとって外国語の学習方法の情報は非常に重要なものであるために、このプレゼンを通して英語で語られている内容の理解をすることで、英語学習に貢献する、という寸法です。このプレゼン中に登場する「溺れている人は泳法を学ばない」というようなフレーズは、安易に「語学留学だ!」と考えてしまいがちな自分にとって金言とも言えます。
ちなみに挙げた中だと英語は聞き取りにくい方だと思います。
最初の20時間 — あらゆることをサクッと学ぶ方法 | ジョシュ・カウフマン | TEDxCSU
最初の20時間 — あらゆることをサクッと学ぶ方法 | ジョシュ・カウフマン | TEDxCSU
3つ目はジョシュ・カウフマンによる講演です。ジョシュ・カウフマンは「たいていのことは20時間で習得できる」(日経BP)という本を出版しており、この講演では、その内容のあらましを語っています。
子供の誕生を機にまったく学習に充てられる時間が無くなってしまったカウフマン氏は、何か物事を習得するために必要な時間が10,000時間である、という事を知り絶望しました。しかし、その数字を調べてみると実態は違うことを知り、結論としてあらゆる事は20時間でだいたい習得できるという結論に達します。講演の最後の方ではウクレレ(しかもエレキ)で弾き語りをするなど、非常にコミカルで、また論の進め方としても参考になり、さらにプレゼンの仕方としても勉強になる、まさに一石三鳥な講演の動画となっています。個人的に最もおすすめな動画です。
おわりに
以上の動画は、全て自分の経験として有用なものだと思った動画達です。人によって合う合わないは当然ありますが、その中でも英語教材探しの一助となれば幸いです。